レシピに「米2合」と書いてあるのに、手元にあるのは料理用の計量カップだけ。お米の袋はキロで表示されているのに、炊飯器の内釜の目盛りは合。米俵の話になると、今度は60kgや4斗という数字が出てきます。お米の単位は、容積で数えるものと重さで数えるものが混ざっているので、どこかで頭がこんがらがりやすいんですよ。
先に結論を言うと、台所で使う米の単位の基本は合(ごう)と升(しょう)です。1合は約180mlで、お米にすると約150g。10合で1升、10升で1斗、10斗で1石と、10倍ずつ大きくなります。俵だけは少し毛色が違って、4斗分を1俵とし、玄米60kgとして扱われてきました。この「10倍の階段」と「容積と重さは別物」という2点を押さえれば、どの単位が出てきても読み替えられます。
この記事では、5つの単位の換算早見表から、1合が180mlと150gで表される理由、計量カップの目盛りに「合」と書けない法律上の事情、カップがないときの量り方、水加減の考え方、そして升・斗・石・俵の成り立ちまで、理屈から順番にほどいていきます。
・合・升・斗・石・俵の換算と、容積・重さの目安
・1合が約180ml・約150gになる理由と、炊き上がりの量
・米用カップと料理用カップの違い、カップがないときの量り方
・計量法と単位表示のルール、場面別の読み替え方
米の単位は5つ|合・升・斗・石・俵を早見表でつかむ

合→升→斗→石は「10倍の階段」で覚えると迷わない
お米の容積の単位は、合・升・斗・石の4つが10倍ずつの関係でつながっています。10合で1升、10升で1斗、10斗で1石。逆から言えば、1石は100升で、1000合です。
この並びは尺貫法と呼ばれる昔の日本の単位系の一部で、もともと容積を測るための単位です。nippon.comの解説でも、10升が1斗、10斗が1石という階級制として紹介されています。長さの単位のように半端な倍率が混ざらないので、桁をひとつずらすだけで次の単位に移れるのが特徴です。
台所でやりがちなのは、合と升の関係をあいまいなまま覚えていて、大人数分を炊くときに計算が止まってしまうことです。たとえば「1升炊いて」と頼まれたら、それは10合のこと。家庭用炊飯器の容量表示も合で書かれているので、升に換算できると「この炊飯器で何回に分ければいいか」がすぐわかります。
コツは、合を基準の1段目に置くことです。合→升→斗→石と、右へ1段進むごとに0を1つ足す。この感覚さえ持っておけば、古い料理書や行事の記録に出てくる単位も怖くなくなります。
俵だけは「10倍」ではなく4斗でくくる単位
俵(たわら)は、ほかの4つとは成り立ちが違います。容積の階段に組み込まれているのではなく、4斗分のお米を1つにまとめた荷姿の単位です。1斗は米にすると約15キログラムなので、4斗でちょうど60kg。現在も玄米60kgを1俵として扱うのが基準になっています。
俵はもともと稲わらなどで編んだ袋で、縄で結んで口を閉じ、お米を運んだり保存したりするための入れ物でした。江戸時代には年貢を量る単位にも使われ、農家や米穀の卸売では今も60kgの俵が標準的な取引単位とされています。容器の名前がそのまま量の単位になった、と考えるとわかりやすいですね。
混乱しやすいのは、俵が「重さ」で語られるのに、その中身は「4斗」という容積で決まっているところです。1俵=10斗と覚え違えている人もいますが、正しくは4斗。10斗は1石なので、1石は2俵半という関係になります。
覚え方としては「俵は4斗で60kg、だいたい400合」の3点セットで十分です。1俵が約400合分にあたるとされるのは、4斗=40升=400合という容積の計算から来ています。
容積の単位と重さの目安は別物として覚える
米の単位でいちばん大事なのは、合・升・斗・石は「容積」の単位で、150gや60kgは「重さの目安」だと切り分けておくことです。1合は約180mlという容積で、そこに入るお米の重さがおよそ150g、という関係なんですよ。
なぜ一致しないかというと、お米の粒と粒の間にはすき間があり、粒そのものの詰まり方や乾き具合でも同じ容積に入る量が少し変わるからです。水なら180mlはほぼ180gですが、お米は軽くなります。そのため、重さは「約」をつけた目安として扱うのが正確です。
やりがちなのが「1升は1.8リットルだから、お米も同じ数字の重さぶん量ればいい」という思い込み。お米1升は約1.5キログラムが目安なので、容積の数字をそのまま重さに当てはめると2合分ほど多くなってしまい、水加減も炊き上がりもずれます。
表で単位を見るときは、容積の列と重さの列を分けて読む習慣をつけましょう。下の早見表も、容積と重さを別の列にしてあります。
| 単位 | 容積の目安 | お米の重さの目安 | 換算 |
|---|---|---|---|
| 合(ごう) | 約180ml | 約150g | 升の10分の1 |
| 升(しょう) | 約1.8リットル | 約1.5キログラム | 10合=1升 |
| 斗(と) | 18リットル | 約15キログラム | 10升=1斗 |
| 石(こく) | 180リットル | 約150キログラム | 10斗=1石=1000合 |
| 俵(たわら) | 4斗分 | 60kg(玄米) | 4斗=1俵、半俵は30kg |
1合はなぜ「180ml」と「150g」の2つの顔を持つのか
180mlは「升の10分の1」から決まった数字
1合が約180mlなのは、1升を基準にして、その10分の1を1合としているからです。nippon.comの解説でも「1合は、現在の単位で言えば約180ミリリットル」と説明されています。
厳密には1合は180.39mlで、きりのいい180mlではありません。これは1升の大きさが明治時代にメートル法の立方メートルを使って定義され、約1.8039リットルになったためです。その10分の1なので、1合も端数がつく、という順番なんですね。
よくある誤解は、「1合はもともと180mlぴったりに作られた単位」というもの。実際は升という古い容積が先にあり、それを現代の単位に置き換えたら約180mlになった、という関係です。米用の計量カップが180mlなのは、この端数を丸めて使いやすくしたものと考えると納得がいきます。
台所では180mlと覚えておけば十分です。0.39mlの違いは、お米の粒のすき間や、すりきりの手加減で生じる差のほうがずっと大きく、炊き上がりに影響するほどではありません。
150gはあくまで「すりきり1合の重さの目安」
1合の重さが約150gとされるのは、180mlの容器にお米をすりきりで入れると、だいたいその重さになるからです。容積を重さに置き換えた目安なので、「約」をつけて読みましょう。
前の章でも触れたとおり、お米の粒の間にはすき間があるので、水と同じ180gにはなりません。山盛りにするか、すりきりにするか、ぎゅっと押し込むかでも入る量は変わります。だからこそ、米用カップは「すりきり1杯」で使う前提になっています。
やりがちな失敗は、カップをお米の袋に差し込んですくい、そのまま上の盛り上がりを残して使うことです。1杯ごとに少しずつ多くなり、3合、4合と重ねると合計の差が大きくなって、水加減が硬めにずれていきます。
重さで量れるキッチンスケールがあるなら、1合=150gで量る方法がいちばん正確です。カップで量る場合も、上を箸や指で平らにならす「すりきり」を毎回そろえるだけで、ぶれを小さくできます。
合(ごう)=尺貫法の容積の単位で、升の10分の1。約180ml(厳密には180.39ml)。現代では主にお米とお酒を量るときに使われています。
尺貫法=長さを尺、重さを貫などで表した日本の伝統的な単位系。合・升・斗・石はこのうちの容積の単位です。
1合を炊くと約330〜350g、茶碗2杯分になる
1合のお米(約150g)を炊くと、ご飯は約330〜350gになるとされています。茶碗にすると2杯分ほどが目安です。生のお米の2倍以上の重さになるのは、炊飯中にお米が水を吸うからです。
お米は乾いた状態で売られていますが、浸水と加熱のあいだに水を取り込み、でんぷんが糊のように変化してふっくらします。この吸った水の分だけ重くなるので、「1合で何杯食べられるか」は生米の重さではなく炊き上がりの重さで考えるのが正確です。
よくあるのは、家族の人数分を「1人1合」と決め打ちして炊き、毎回余らせてしまうパターン。茶碗2杯分という目安を知っていれば、たとえば4人で1杯ずつなら2合で足りる、と逆算できます。
食べる量は人や献立によって違うので、まずは1合=茶碗2杯分を基準にして、家庭の食べ方に合わせて増減してみてください。茶碗1杯の量の目安については、こちらの記事でくわしく扱っています。

200mlの料理用カップで量っていない?計量カップと量り方の落とし穴

米用カップは180ml、料理用カップは200mlで別物
炊飯器に付いてくる米用の計量カップは、すりきりで180ml、つまり1合です。一方、料理に使う計量カップは200mlが一般的なので、同じ「カップ1杯」でも中身が違います。
この違いが生まれるのは、米用カップが合という単位に合わせて作られているのに対し、料理用カップはメートル法の容積でレシピを書くためのものだからです。見た目が似ていても、物差しにしている単位系が別なんですね。
台所でいちばん多い失敗がこれです。米用カップをなくして、料理用の200mlカップでお米を「3杯」量り、内釜の3の目盛りまで水を入れて炊く。すると、お米は3合よりも多く入っているのに、水は3合分なので、硬めで芯が残ったような炊き上がりになりがちです。
カップを見分けるときは、側面や底の目盛りを確認しましょう。180のところに線があれば米用、200まで目盛りがあれば料理用です。迷ったら、炊飯器の付属カップを使うのがいちばん確実です。
状況:米用カップが見当たらず、料理用の200mlカップで「3杯」量って、内釜の3合の目盛りまで水を入れた。
原因:お米は1杯あたり米用カップより多く入っているのに、水は3合分しか入っていないため、水が足りない。
対策:料理用カップを使うなら目盛りの180の線まで入れる。正確にしたいときはキッチンスケールで1合150gを量る。
計量カップに「合」と書けないのは計量法のため
米用カップの目盛りを見ると、「1合」ではなく「180」や「ml」と書かれていることが多いはずです。これは計量法との関係によるものです。
日本ではメートル法が定着し、nippon.comの解説でも「1959年になってメートル法が完全に実施され、尺貫法は廃止されました」と説明されています。取引や証明に使う計量の単位は、計量法で定められた法定計量単位で表すことが求められています。
計量カップについても、Wikipediaの「合」の項目には「目盛の表記に合を使用すると計量法違反となるため、数字だけの表記で対応している」と書かれています。だから台所では「合」で数えているのに、道具には数字やmlしか書かれていない、というちぐはぐなことが起きているわけです。
読み替えのコツは、カップの「180」の目盛りを見たら1合と読むこと。360なら2合です。単位の文字がなくても、数字が180の倍数なら合の目盛りだと判断できます。
カップがないときは大さじ・紙コップ・スケールで代用できる
米用カップがないときも、身近な道具で1合を量れます。いちばん正確なのはキッチンスケールで150g量る方法、次に確実なのが大さじで量る方法です。
大さじ1杯は15mlなので、すりきりで12杯入れるとちょうど180ml、つまり1合になります。数が多いので手間はかかりますが、容積でぴったり合わせられるのが利点です。紙コップは一般的なものがすりきりで200mlほどとされているので、縁から少し下まで入れると1合に近くなります。ただし紙コップは製品によって大きさがまちまちなので、あくまで間に合わせと考えましょう。
失敗しやすいのは、湯のみやマグカップを「だいたい1合くらい」と思い込んで使うことです。器の容量は意外とばらばらで、思っているより大きいことも少なくありません。
おすすめの順番は下の手順のとおりです。スケールがあればそれを使い、なければ大さじ、それもなければ紙コップ、と正確な方から選んでください。
「すりきり」をそろえるだけでぶれは小さくなる
カップで量るときにいちばん効くのは、毎回すりきりにそろえることです。米用カップの180mlという数字は、すりきり1杯を前提にしているからです。
お米は粒なので、カップを袋に差し込んですくうと上が山のように盛り上がります。この山の部分は1杯ごとには小さく見えても、合数を重ねるほど積み重なっていきます。逆に、軽く振り入れて押さえずにいると、すき間が多くなって少なめになることもあります。
やりがちなのは、急いでいる朝に「だいたいこのくらい」で済ませてしまい、日によって炊き上がりの硬さが変わること。お米の銘柄や炊飯器を疑う前に、量り方が毎回同じかを見直すと原因が見つかることがよくあります。
すりきりは、箸の側面やカップの縁に沿わせた指で、上をまっすぐ平らにならすだけです。押し込まず、盛らず、いつも同じ手順で量る。それだけで、同じ合数なら同じ炊き上がりに近づきます。
水加減は「合」で考えると失敗しにくい理由
1合に水200mlが目安とされるのはお米の吸水分があるから
お米1合(180ml)に対して、水は200mlほどが水加減の目安とされています。お米の容積の1.1〜1.2倍くらいの水、と言いかえることもできます。
お米と同じ量の水では足りないのは、炊飯中にお米が水を吸い込むうえ、加熱の途中で蒸気として逃げる分もあるからです。前の章で見たように、150gのお米が炊き上がると330〜350gに増えるのは、この水を取り込んだ結果です。水が少なければ吸い切れずに芯が残り、多すぎればべたつきます。
よくある失敗は、1合と2合で同じ「ひと回り多め」の感覚で水を足すこと。合数が増えるほど、水も同じ比率で増やす必要があります。合を単位にして「1合につき水200ml」と考えると、何合炊いても計算がぶれません。
ただし、これは鍋などで炊くときの考え方の目安です。炊飯器は機種ごとに内釜の目盛りが設計されているので、炊飯器で炊く場合は取扱説明書の案内と目盛りを優先してください。
水加減の目安は「お米1合(180ml)に水200ml」、お米の容積の1.1〜1.2倍ほど。合数を増やすときは水も同じ比率で増やします。炊飯器で炊く場合は、内釜の目盛りと取扱説明書の案内を優先しましょう。目盛りの位置や推奨はメーカーにより異なります。
同じ容器で米と水を同じ杯数で量るとずれにくい
鍋で炊くときや、カップが手元にないときに覚えておくと便利なのが、「お米と水を同じ容器で、同じ杯数ずつ量る」という考え方です。容器の大きさがそろっていれば、米と水の比率がくずれにくくなります。
理由はシンプルで、水加減は量そのものより「お米に対してどれだけの水か」という比率で決まるからです。同じ容器を使えば、容器が少し大きくても小さくても、お米と水の比率は同じに保たれます。そこに少しだけ水を足して、1.1〜1.2倍に寄せていくと調整しやすくなります。
やりがちなのは、お米は米用カップ、水は料理用の200mlカップと、別々の容器で量ってしまうこと。それぞれの容量を正確に覚えていないと、比率が知らないうちにずれてしまいます。
コツは「お米を量ったカップで、そのまま水も量る」こと。米用カップで量ったなら、水も米用カップで同じ杯数入れ、最後に少量足して好みの硬さに合わせます。何度か炊いて、家庭の好みの足し方を決めておくと迷わなくなります。
無洗米や新米は単位の換算どおりにいかないこともある
1合に200mlという目安は基本形で、お米の種類や状態によっては調整が必要です。代表的なのが無洗米で、同じカップで量っても白米より粒が多く入るため、水をやや多めにするのが一般的とされています。
無洗米は表面のぬかを取り除いてあるので、粒の表面がなめらかで、同じ容積に詰まりやすい性質があります。同じ1合のカップでも中身のお米が多くなるため、白米の感覚で水を入れると硬めに炊き上がりがちです。炊飯器によっては内釜に無洗米用の目盛りが付いているのもこのためです。
よくある失敗は、無洗米を白米用の目盛りぴったりで炊いて「無洗米は硬い」と感じてしまうこと。単位の換算だけでなく、お米の状態も水加減に関わっていると覚えておきましょう。
無洗米の水の量をどう調整するかは、こちらの記事で理由から解説しています。

一升瓶と同じ1.8リットル|「升」はどこから来た単位か
1891年の定義で1升が約1.8039リットルにそろった
1升が約1.8リットルになったのは、明治時代にメートル法の単位で大きさが定められたからです。1891年(明治24年)に、1升は2401/1331000立方メートルと定義され、これが約1.8039リットルにあたります。
それ以前の升は地域や時代によって大きさにばらつきがあったとされ、全国で同じ量を測れるように、基準をメートル法に結びつけて決めたわけです。この定義が、10分の1の合が180.39ml、10倍の斗が18リットル、100倍の石が180リットルという数字の土台になっています。
やりがちなのは、升の大きさを「1.8リットルちょうど」と思い込んで、合の端数(180.39ml)との関係がわからなくなること。端数はすべて、この明治の定義から来ていると覚えておくと話がつながります。
台所で使う分には、1升=約1.8リットル、お米なら約1.5キログラムと覚えておけば十分です。細かい定義は、単位の成り立ちを知りたいときの背景知識として持っておきましょう。
一升瓶・四合瓶は今も升と合を使っている
升と合は、お米だけでなく日本酒や焼酎の瓶の呼び名にも残っています。一升瓶は容量1.8リットル、四合瓶は4合で720mlです。
日本酒や焼酎は、昔から合や升を単位に量り売りされてきた歴史があり、その名残が瓶の呼び名に引き継がれています。合・升が今もお米とお酒の計量で使われているのは、暮らしの中で長く使われてきた単位だからでしょう。
覚えておくと便利なのは、一升瓶の容量がそのまま「お米1升の容積」と同じだという点です。ただし、瓶に入る水の重さと、同じ容積に入るお米の重さは違います。水なら容積の数字とほぼ同じ重さになりますが、お米1升は約1.5キログラムが目安。容積が同じでも重さは別物、というこの記事の基本がここでも生きてきます。
一升瓶を見かけたら「これがお米10合分の大きさ」とイメージしてみてください。升という単位が、急に身近に感じられるはずです。
大人数のごはんは升で考えると計算が楽になる
来客や行事でたくさんのごはんを炊くときは、升で考えると計算がすっきりします。1升は10合、お米で約1.5キログラム、炊き上がりは1合あたり茶碗2杯分の目安で考えれば、茶碗20杯分ほどになります。
合のまま「15合、20合」と数えるより、「1升半、2升」と升でくくったほうが、必要なお米の量を袋の重さと見比べやすくなります。お米の袋は重さで表示されているので、1升=約1.5キログラムという換算を持っておくと、袋のどのくらいを使うかが見当をつけやすいのです。
失敗しやすいのは、家庭用炊飯器の容量を超えて一度に炊こうとすること。炊飯器には炊ける合数の上限があり、それを超えると炊きむらや吹きこぼれの原因になるとされています。
大量に炊くときは、必要量を升で見積もってから、手持ちの炊飯器の容量で何回に分けるかを決めましょう。容量の上限は取扱説明書に記載されているので、先に確認しておくと安心です。
斗・石・俵は暮らしの中でどう使われてきた?
1斗は18リットル、お米で約15キログラム
斗(と)は10升を1つにまとめた単位で、容積は18リットル、お米にすると約15キログラムが目安です。升よりもひと回り大きく、商いの取引で使われてきた単位とされています。
家庭で1斗のお米を一度に扱うことはまずありませんが、俵の大きさを理解するうえで欠かせない単位です。4斗が1俵で、1斗が約15キログラムだから、1俵が60kgになる。俵と重さの関係は、斗を経由すると見通しがよくなります。
混同しやすいのは、斗と升の大きさの関係です。斗の読みは「と」で、升の10倍。1斗を「1升の何倍か」で考えるときに、100倍と勘違いする人もいますが、100倍は石です。10倍ずつの階段を思い出すと、取り違えを防げます。
行事や昔話で「一斗」という言葉が出てきたら、「お米で約15キログラム、升なら10杯分」と読み替えてみてください。量の大きさが具体的にイメージできるようになります。
1石は「1人が1年に食べるお米の量」とされた
石(こく)は10斗、つまり1000合にあたる単位で、容積は180リットル、お米にすると約150キログラムが目安です。歴史的には、1人がおよそ1年間に消費するお米の量として考えられていたとされています。
1日3合として365日食べると、ちょうど1000合あたりになる、という計算で説明されることもあります。人の暮らしを単位の大きさに結びつけた考え方で、それだけお米が生活の中心にあったことがうかがえます。
江戸時代には、石は大名や藩の石高(こくだか)として、領地の豊かさや財政力を表す物差しにも使われました。「○万石の大名」という言い方は、その土地でどれだけお米がとれるかを表していたわけです。
現代の食生活では1人が1年に食べるお米は1石よりずっと少ないので、「1石=1年分」は昔の目安として受け止めておきましょう。石という単位は、量の物差しであると同時に、時代の暮らしぶりを映す数字でもあります。
実は1俵60kgは「容積の4斗」を重さに置き換えた数字
意外と知られていないけれど、1俵が60kgという数字は、もともと重さで決まったものではありません。江戸時代に1俵を4斗と定め、1斗が約15キログラムにあたることから、4斗=60kgという重さの基準になったとされています。
つまり、俵の出発点は「4斗という容積」で、60kgはそれを重さに置き換えた値です。容積の単位である斗を重さに換算しているので、ここでも「容積と重さは別物、重さは目安」というお米の単位の基本がそのまま当てはまります。現在の取引で60kgの重さが基準になっているのは、重さのほうが量りやすく、取引でぶれが出にくいからでしょう。
この流れを知っておくと、1俵が約400合分にあたる理由もすっきりします。4斗は40升、40升は400合。60kgを150gで割っても400合になるので、容積と重さの両方の計算が一致しているわけです。さらに、1俵のお米を炊くと約130kgのご飯になるとされ、1合が2倍以上に増える関係が、俵の単位でも成り立っています。
俵の数字を見たら、「4斗→60kg→約400合」とつなげて読んでみてください。単位の世界が一本の線でつながって見えてきます。
| もともとの姿 | 稲わらなどで編んだ袋。縄で結んで口を閉じ、お米や穀類の運搬・保存に使った |
| 量の基準 | 4斗=1俵。重さは玄米60kgが基準、半俵は30kg |
| 合に換算すると | 約400合分。炊くと約130kgのご飯になるとされる |
| 使われてきた場面 | 江戸時代の年貢の計量。現在も農家・米穀卸売の標準的な取引単位 |
米の単位を場面ごとに読み替えるコツ
農家や卸の60kg、小売の30kg(半俵)の違い
俵の単位は、扱う場面によって使われる大きさが変わります。農家や米穀の卸売では60kgの俵が標準的な取引単位とされ、小売の流通では30kgの半俵が主流とされています。
60kgは昔からの俵の基準を受け継いだ大きさですが、人の手で持ち運ぶには重すぎます。そのため、扱いやすい半分の30kgが小売の現場で広く使われるようになったと考えられます。基準は60kgのまま、実際の荷の大きさは用途に合わせて分けている、ということですね。
混乱しやすいのは、ニュースや農業の話題で「1俵」と出てきたときに、それを30kgだと思い込んでしまうこと。単位としての1俵は60kgで、30kgはあくまで半俵です。
見分けるコツは、数字のあとの「俵」なのか「kg」なのかを確認すること。「1俵」とあれば60kg、「30kg」とあれば半俵、と読み分けておけば取り違えません。
一人暮らし・家族・大人数で使う単位を変える
米の単位は、暮らし方によって主に使うものが変わります。毎日の量を考えるなら合、まとまった量なら升、と場面で使い分けると計算が楽になります。
一人暮らしなら、1合で茶碗2杯分という目安を軸に考えるのが便利です。1回に1合炊いて、食べきれない分を冷凍するといった計画が立てやすくなります。家族で食べるなら、人数と1人あたりの杯数から合数を決め、2合、3合と合のまま考えるのがいちばんわかりやすいでしょう。
行事や来客で大人数分を炊くときは、升に切り替えると見通しがよくなります。1升=10合=約1.5キログラムで考えれば、お米をどれだけ用意すればいいかが、重さ表示の袋と見比べながらつかめます。
やりがちなのは、どの場面でも合だけで数えて、大きな数になったときに頭の中で桁を見失うこと。量が増えたら単位を1段上げる、という習慣をつけておくと、計算ミスを防げます。
レシピの「1合」「180ml」「150g」は同じ量の言いかえ
料理本やレシピサイトでは、同じお米の量が「1合」「米180ml」「米150g」とばらばらに書かれていることがあります。これは書き手が使っている単位が違うだけで、指している量はほぼ同じです。
合は昔からの容積の単位、180mlはそれをメートル法の容積で書いたもの、150gはその容積に入るお米の重さの目安です。レシピによっては、計量カップの統一を意識してmlで書いたり、正確さを優先してgで書いたりと、書き方の方針が分かれます。
失敗しやすいのは、「米200ml」のように料理用カップを前提にした表記を、米用カップの1杯分と読み違えること。200mlと書かれていたら1合より少し多い量なので、水加減もそれに合わせる必要があります。
レシピを読むときは、単位を一度「合」に置き換えてから考えると迷いません。180mlも150gも1合、と頭の中でそろえておけば、手持ちの炊飯器の目盛りにもそのまま合わせられます。
状況:行事用に「お米1升」を用意しようとして、一升瓶の1.8リットルという数字をそのまま重さに置き換え、スケールでその数字どおりに量った。
原因:升は容積の単位で、お米1升の重さの目安は約1.5キログラム。容積の数字をそのまま重さに使ったため、10合のつもりが2合分ほど多くなった。
対策:重さで量るときは「1合=約150g」から計算する。容積の単位と重さの目安を、早見表で列を分けて確認する。
まとめ|米の単位は「合を基準に10倍、俵は4斗」で読み解ける
次にお米を炊くときは、付属の米用カップの「180」の目盛りを確かめて、すりきり1杯を毎回そろえるところから始めてみてください。単位の意味がわかると、同じ合数で同じ炊き上がりに近づけられます。
※炊飯器の水加減や容量は機種によって異なります。最新情報は各メーカーの公式サイト・取扱説明書でご確認ください。

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