米粉でピザを焼いたら、生地がべたついてうまく伸ばせなかった。焼き上がりの縁は固いのに、真ん中だけ生っぽい。袋にパン用と書いてある米粉を買ったけれど、ピザにも使えるのかわからない。米粉ピザに挑戦すると、こうした迷いや失敗にぶつかりやすいんです。
先に答えを言ってしまうと、米粉ピザは小麦粉の生地と同じ感覚で作らないことが一番のコツです。米にはグルテンが含まれないので、生地は伸びにくく、膨らみにくい。だからこそ、こねすぎず、薄くのばし、高温でしっかり焼く。この3つを押さえるだけで、仕上がりは大きく変わります。
この記事では、農林水産省が定めた米粉の用途別基準(1番・2番・3番)の読み方から、北陸農政局と米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が公開している2つの米粉ピザのレシピの違い、オーブンとフライパンの焼き分け、失敗の原因、そしてグルテンフリーやノングルテンと書かれた表示の正しい見方まで、理屈から順番に解説します。
・米粉の生地が小麦粉の生地と違う理由(グルテンの有無)
・袋の1番・2番・3番の違いと、ピザに使う米粉の選び方
・公的レシピの分量と、オーブン・フライパンそれぞれの焼き方
・固い・生焼け・べたつく失敗の原因と、ノングルテン表示の読み方
米粉ピザとは?小麦粉の生地と同じ感覚で作るとつまずく理由

一番の違いは「伸びて膨らむ骨格」がないこと
米粉ピザと小麦粉のピザの違いは、ひとことで言えばグルテンがあるかないかです。小麦粉の生地は、こねるほどに弾力が出て、手で広げても破れにくく、発酵させればふっくら膨らみます。この伸びと膨らみを支えているのがグルテンなんですね。
農林水産省の米粉の特性を解説したページには、「グルテンとは小麦の不溶性たんぱく質で、グルテニンとグリアジンという2種類のたんぱく質からなります」という説明があります(農林水産省:米粉の特性)。同じページでは、米にはグルテンが含まれないため米粉パンは膨らみにくいとされています。ピザ生地も考え方は同じで、米粉だけで作った生地には、小麦粉の生地のような網目状の骨格ができません。
台所でやりがちなのが、小麦粉のピザと同じように生地を手で持ち上げて回しながら広げようとすること。米粉の生地は引っぱるとちぎれやすく、穴があいたり端が割れたりします。これは腕前の問題ではなく、生地の性質の違いによるものです。
ですから米粉ピザでは、生地を引っぱって伸ばすのではなく、ラップで挟んで上から押し広げる、あるいはフライパンに流して焼き固めるといった、骨格がない前提の作り方を選びます。この前提を知っているだけで、失敗の半分は防げます。
グルテン=小麦に含まれる不溶性のたんぱく質(グリアジンとグルテニン)からできるもの。水を加えてこねると粘りと弾力のある網目をつくり、パンやピザ生地の伸びと膨らみを支える。米にはグルテンが含まれない。
もちもちした食感は米のでんぷんから生まれる
グルテンがないぶん、米粉ピザにはもちもちとした独特の食感が出ます。米穀機構の米粉レシピ集では、ピッツァの紹介に「米粉生地のもちもち感で、いつものピザがひと味」という言葉が添えられています(米穀安定供給確保支援機構:米粉レシピ集(PDF))。
この食感の主役は、米のでんぷんです。水を含んで加熱されたでんぷんは粘りを持ち、冷めるまでしっとりとした口当たりを保ちます。農林水産省の特性ページでは、米粉のでんぷんの損傷度が低いとパンの膨らみが大きく、高いとしっとり感が増すとされています。製粉のされ方によって、同じ米粉でも仕上がりの傾向が変わるということですね。
一方で、このもちもち感は焼き方を間違えると、ねっちりとした重さにも変わります。生地を厚くしすぎると、中まで熱が届く前に表面だけが焼けてしまい、中心に糊のような層が残りやすくなります。米粉ピザの失敗談で多いのは、この中心部の重さです。
もちもち感を活かしつつ重くしないコツは、生地を薄めにして、高温で一気に火を通すことです。米粉ピザは厚いパン生地で楽しむものではなく、薄めの生地で焼き目の香ばしさと、内側のもっちり感の両方を楽しむもの、と考えると焼き方の方針が決まります。
ピザとピッツァ、生地には発酵型と寝かせ型がある
少し寄り道になりますが、米穀機構のレシピ集では、本来は「ピッツァ」と呼ぶのが正しいようで、日本では発音のしやすさから「ピザ」の呼び方が定着したようだ、という趣旨の解説があります。呼び名はどちらでもかまいませんが、公的なレシピを探すときは両方の言葉で探すと見つけやすくなります。
呼び名より大事なのは、米粉ピザの生地には大きく分けて2つの作り方があることです。ひとつは、ドライイーストを加えて発酵させる型。もうひとつは、イーストを使わず、生地を寝かせてからフライパンで先に焼き固める型です。北陸農政局のレシピは前者、米穀機構のレシピ集は後者にあたります。
よくあるのが、発酵型のつもりで作っているのに、生地がほとんど膨らまないことに驚いてしまうケースです。米粉の生地は膨らみにくいので、発酵型でも小麦粉の生地のようにふくらむわけではありません。発酵は、膨らませるためというより、風味と軽さを少し加える工程と考えておくと期待とのずれが小さくなります。
なお、グルテンを加えずに米粉100%でパンを膨らませる研究も進められてきました。農研機構は平成22年6月2日のプレスリリースで「米粉 100%パン(グルテン不使用)の製造技術を開発。」と発表しています(農研機構:プレスリリース(PDF))。グルタチオンを発酵前に加えることで、パン容積が未添加に比べ約2.4倍になったとされますが、これは研究上の技術で、家庭のピザ生地にそのまま当てはめるものではありません。
米粉ピザが向いている人・場面
米粉ピザは、どんな人に向いているのでしょうか。まず、もちもちした生地が好きな人。小麦粉の薄焼きピザのパリッとした軽さとは別の、噛みごたえのある食感が楽しめます。次に、家に米粉があって使い道を広げたい人。お菓子づくり用に買った米粉が余っているなら、料理に回すきっかけになります。
そして、生地をこねる時間を短くしたい人にも向いています。小麦粉の生地はグルテンを育てるためにしっかりこねる必要がありますが、米粉の生地は鍛える骨格がないので、こねる工程が短く済みます。北陸農政局のレシピでも、こねる時間は3分程度とされています。
反対に、ナポリ風の縁がぷっくり膨らんだピザを目指す人には、米粉だけの生地は不向きです。膨らみを求めるならグルテンを加えたパン用米粉という選択肢もありますが、それはもう小麦の成分を含む生地になります。何を優先するかで、粉選びが変わるわけです。
また、グルテンを避けたい事情があって米粉ピザを選ぶ場合は、粉の袋の表示と、ほかの材料の原材料表示の確認が欠かせません。この点は後半の表示の章でくわしく説明します。体調や食事制限については医師・管理栄養士に相談を。
米粉はどれを選ぶ?袋の1番・2番・3番で生地の性格が変わる
農林水産省の用途別基準は3つに分かれている
米粉の袋に1番、2番、3番という数字や、菓子・料理用、パン用、麺用といった表記を見かけたことはありませんか。これは農林水産省が平成29年3月29日に公表した米粉の用途別基準によるものです。基準には「米粉の主な用途について、菓子・料理用、パン用及び麺用に分類する。」と書かれています(農林水産省:米粉の用途別基準(PDF))。
1番は菓子・料理用で、スポンジケーキ、クッキー、天ぷら粉、お好み焼き粉、唐揚げ粉、とろみ付けなどの惣菜類が用途例に挙がっています。2番はパン全般、3番は麺全般です。ピザという用途は名指しされていないので、生地をどう作るかで選ぶ番号が変わります。
迷いやすいのは、どの番号の米粉でもピザが作れそうに見えるところです。たとえば1番の米粉で発酵型のピザを作ると、生地がゆるく、まとまりにくいと感じることがあります。番号はあくまで主な用途の目安ですが、その目安から外れた使い方をするなら、仕上がりの違いは織り込んでおく必要があります。
袋を手に取ったら、まず番号や用途の表記を探しましょう。そのうえで、パン用ならグルテン添加の有無、菓子・料理用なら料理への使い方の説明が載っているかを確認すると、選びやすくなります。
| 項目 | 1番(菓子・料理用) | 2番(パン用) | 3番(麺用) |
|---|---|---|---|
| アミロース含有率 | 20%未満 | 15%以上25%未満 | 20%以上 |
| 主な用途例 | スポンジケーキ、クッキー、天ぷら粉、お好み焼き粉など | パン全般 | 麺全般 |
| グルテン | 基準上の添加の規定なし | 添加する場合は18〜20%程度(添加の旨を明記) | 基準上の添加の規定なし |
| 共通の基準 | 粒径75μm以下の比率が50%以上/澱粉損傷度10%未満/水分含有率10%以上15%未満 | ||
| ピザでの使われ方 | 公的レシピでの使用例は確認できず | 米穀機構レシピ集のフォカッチャで使用 | 米穀機構レシピ集のピッツァで使用 |
パン用(2番)にはグルテン入りの米粉がある
ピザ生地を膨らませたいなら、パン用の2番を選べばよいと考える人は多いでしょう。ただし、ここには知っておきたい落とし穴があります。用途別基準では、パン用の米粉にグルテンを添加する場合、その割合は「18~20%程度」とされ、グルテンを添加している旨を明記する必要があると定められています(農林水産省:米粉の用途別基準(PDF))。
なぜグルテンを入れるのか。農林水産省の特性ページでは、製パンに適性を持たせるため15〜20%のグルテンを添加すると、小麦粉と同じような加工が可能になるとされています。つまり、グルテン入りのパン用米粉は、米粉の弱点である膨らみにくさを小麦の成分で補った粉なんですね。
この粉でピザを作ると、生地は伸ばしやすく、ふっくらしやすくなります。その一方で、米粉ピザに小麦を含まない生地を期待していた場合は、目的とずれてしまいます。パン用の棚から何気なく選んで、後から原材料欄にグルテンの文字を見つける、というのはよくある話です。
選ぶときは、袋の表面の用途表記だけでなく、必ず原材料名の欄を見てください。グルテンや小麦たんぱくと書かれていればグルテン入りです。膨らみを優先するのか、小麦を含まないことを優先するのか、目的を先に決めてから棚の前に立つと迷いません。
アミロースと粒の細かさで、生地の手触りが変わる
番号ごとの違いを生んでいる数値のひとつが、アミロースの含有率です。基準では、1番が20%未満、2番が15%以上25%未満、3番が20%以上とされています。アミロースはでんぷんの成分のひとつで、一般に多いほど粘りが少なく、しっかりした食感になり、少ないほど粘りが強くなる傾向があるとされます。
この傾向をピザ生地に当てはめると、アミロースが少なめの粉は粘りが出やすく、手やラップにくっつきやすい生地に、多めの粉は比較的扱いやすく、焼き上がりにほどよい歯ごたえが出やすい生地になる、と考えられます。ただし、生地の状態は水の量や他の材料にも左右されるので、番号だけで仕上がりが決まるわけではありません。
もうひとつの要素が粒の細かさです。基準では3つの用途に共通して、粒径75μm以下の比率が50%以上であることが求められています。農林水産省の特性ページでは、パン製造では粒径が大きいと比容積が低下する、つまり膨らみにくくなるとされています。製菓用に細かく挽かれた粉と、昔ながらの粗めの粉とでは、同じ配合でも生地の感じが違ってくるわけです。
家庭でできる工夫は、使った米粉の銘柄と番号をメモしておくことです。同じレシピでも粉が変わると水の吸い方が変わるので、次に焼くときの水加減の手がかりになります。
実は、ピザに向くのはパン用だけではない
意外と知られていないのですが、米穀機構のレシピ集で紹介されている米粉のピッツァには、パン用の2番ではなく、麺用の3番が使われています。材料欄には「米粉(3番)・・・・・・・・・・・・・・・ 100g」と書かれています(米穀安定供給確保支援機構:米粉レシピ集(PDF))。
レシピ集には3番を選んだ理由は書かれていません。ただ、このピッツァはイーストで膨らませる生地ではなく、寝かせた生地をフライパンで薄く焼き固める作り方です。膨らみを担う必要がない生地なら、パン用にこだわる理由は小さくなります。アミロースが多めの3番は粘りが控えめな傾向があるので、薄く焼き固める生地と相性がよいと考えることもできます。
ここで注意したいのは、袋に番号が書かれていない米粉も売られていることです。用途別基準そのものにも「上新粉など、既存用途向けの米穀粉は対象としない。」と書かれています(農林水産省:米粉の用途別基準(PDF))。団子などに使う上新粉は粒が粗めのものが多く、ピザ生地に使うと口当たりが変わる可能性があります。
つまり、米粉ピザの粉選びは、パン用一択ではなく、作り方とセットで考えるのが正解です。発酵させるならパン用を含めて検討し、焼き固める生地なら3番も候補に入れる。番号のない粉なら、袋の用途説明にピザやパンへの使い方が載っているかを確認しましょう。

公的なレシピ2つを並べると、生地づくりの考え方が見えてくる

北陸農政局のレシピは、イーストで発酵させる生地
まずは北陸農政局が公開している米粉ピザのレシピです(北陸農政局:米粉ピザのレシピ)。1枚分の材料は、米粉150g、ドライイースト3g、砂糖5g、塩3g、オリーブオイル5ml、35℃の水115〜120mlです。小麦粉のピザ生地とよく似た構成で、粉をそのまま米粉に置き換えたような配合になっています。
なぜ小麦粉のピザに近い配合で作れるのか。イーストは糖を食べて発酵し、ガスと香りを生みます。砂糖はそのエサ、塩は味を締める役割で、オリーブオイルは生地に香りとなめらかさを加えます。グルテンがないので大きくは膨らみませんが、発酵の香りと、ほんのりとした軽さは加わります。
このレシピで迷いやすいのが、水の量に115〜120mlという幅があることです。ここを毎回同じ量にしてしまい、生地が固すぎたりゆるすぎたりすることがあります。米粉は製品によって水の吸い方が違うので、幅を持たせているのだと考えられます。
コツは、少なめの量から入れて、生地の様子を見ながら残りを足すことです。最初から全量を入れると、ゆるくなったときに戻すのが難しくなります。粉がまとまり、手で丸められるくらいになったら、そこで止めるのが目安です。
米穀機構のレシピ集は、寝かせてから先に焼き固める生地
もうひとつは、米穀機構の米粉レシピ集にある米粉のもっちもちピッツァです。4人分の生地は、米粉(3番)100g、片栗粉20g、砂糖10g、サラダ油30㎖、卵2個、冷ましたチキンブイヨン160〜180㎖、塩少々。イーストは使いません。
作り方も北陸農政局のレシピとは大きく違います。材料を混ぜたら1時間くらい寝かせ、フライパンで生地をごく薄く、数ミリほどの厚さに広げて、両面が固まるくらいまで焼きます。そこに具をのせ、180℃のオーブンで15〜20分焼き上げる流れです。
この配合の特徴は、片栗粉と卵が入っていることです。片栗粉はでんぷんなので、加熱すると粘りを出して生地をまとめる助けになります。卵は加熱で固まるたんぱく質なので、グルテンがない米粉の生地に、焼き固めたときの形を保つ力を補っていると考えられます。生地というより、とろりとした液に近い状態から始まるのもこのためです。
寝かせる工程を省いてしまうと、米粉が水分を吸いきらず、焼いたときに粉っぽさが残ったり、生地が割れやすくなったりします。1時間という時間には、粉にしっかり水分を行き渡らせる意味があるわけです。時間がないときほど、この工程は削らないようにしましょう。
2つのレシピは何が違う?並べて比べてみる
2つのレシピを並べてみると、同じ米粉ピザでも、生地のつくり方の発想がまったく違うことがわかります。北陸農政局のレシピは、こねて丸められる固さの生地を、のばして焼くパン生地型。米穀機構のレシピは、流れる生地を焼き固めてから具をのせる、クレープやお好み焼きに近い型です。
| 項目 | 北陸農政局の米粉ピザ | 米穀機構レシピ集のピッツァ |
|---|---|---|
| 分量 | 1枚分(米粉150g) | 4人分(米粉(3番)100g・片栗粉20g) |
| 膨らませ方 | ドライイースト3gで発酵 | イーストなし(卵2個) |
| 水分 | 35℃の水115〜120ml | 冷ましたチキンブイヨン160〜180㎖ |
| 生地を休ませる時間 | ラップをして20分発酵 | 1時間くらい寝かせる |
| 焼き方 | 220℃のオーブンで15〜20分 | フライパンで両面を焼き固め、180℃のオーブンで15〜20分 |
| 生地の性格 | こねて丸めるパン生地型 | 流して焼き固める薄焼き型 |
比べて見えてくるのは、どちらのレシピも米粉の弱点である膨らまなさ、まとまりにくさに対して、それぞれの方法で手を打っているということです。前者は薄くのばして高温で焼き切ることで、後者はでんぷんと卵で生地を固め、先に火を通しておくことで、生焼けを防いでいます。
失敗しやすいのは、2つのレシピの良いところを組み合わせようとして、発酵型の生地をフライパンで厚いまま焼くといった中途半端な作り方をすることです。まずはどちらか一方のレシピを、分量と手順どおりに作ってみてください。
どちらから試す?読者タイプ別の選び方
どちらのレシピから始めるかは、台所の道具と好みで決めるのが一番です。オーブンがあり、小麦粉のピザに近い見た目と香りを楽しみたい人には、北陸農政局の発酵型が向いています。材料が少なく、手順もシンプルなので、米粉ピザを初めて作る人の入口になります。
もちもち感を強く楽しみたい人、生地をのばす作業が苦手な人には、米穀機構の薄焼き型が向いています。生地をフライパンに流して広げるだけなので、手やめん棒にくっつく心配がありません。ただし、寝かせる時間が1時間くらいかかるので、食べる時間から逆算して早めに仕込んでおく必要があります。
家族で取り分けたい場合は、米穀機構のレシピが4人分で書かれている点も参考になります。北陸農政局のレシピは1枚分なので、人数が多いときは材料をそのまま倍にして2枚焼くと、配合のバランスを崩さずに済みます。
小さな子どもと一緒に作るなら、生地を丸めたり、具をのせたりする工程が楽しめる発酵型が取り組みやすいでしょう。どちらのレシピでも、具をのせる前の生地の状態をよく観察しておくと、次に作るときの調整がしやすくなります。
米粉ピザの生地を発酵させて作る手順と、各工程の理由
水を35℃にそろえるのはイーストを働かせるため
ここからは、北陸農政局のレシピに沿って、発酵型の生地の作り方を工程ごとに見ていきます。最初のポイントは、水の温度を35℃にそろえることです。イーストは生き物なので、温度によって働きが大きく変わります。冷たい水では動きが鈍く、熱すぎる水では弱ってしまいます。
人肌より少しぬるい温度の水を使うことで、短い発酵時間でもイーストがしっかり働けるようにしているわけです。このレシピの発酵時間は20分と短めなので、水温が低いと十分に発酵しないまま次の工程に進むことになります。
やりがちなのが、蛇口から出したままの水を使ってしまうことです。冬場は特に水が冷たく、発酵が進みません。逆に、電子レンジで温めすぎて熱湯に近くなってしまうのもよくある失敗です。温度計がない場合は、手首の内側に垂らして、ぬるく感じるくらいを目安にしてください。
材料を混ぜる順番も意識しましょう。ドライイーストと塩が直接触れ合うと、イーストの働きが弱まりやすいとされています。粉の上でイーストと塩を離して置き、そこに水を加えて混ぜると安心です。
こねるのは3分程度で十分な理由
北陸農政局のレシピでは、生地がまとまったら少しこねる、3分程度、とされています。小麦粉のピザ生地なら、表面がなめらかになるまで何分もこねるのが普通ですから、短く感じるかもしれません。
理由は、ここまで見てきたとおり、米粉にはグルテンがないからです。小麦粉の生地は、こねることでグルテンの網目が育ち、弾力が出てきます。米粉の生地は、どれだけこねても育てるべき骨格がないので、長くこねても弾力は増えません。むしろ、手の温度で生地がだれたり、表面が乾いたりしやすくなります。
台所でよく起きるのが、小麦粉のつもりでこね続け、生地がべたべたしてきて打ち粉を足し、気づけば粉っぽい生地になっている、というパターンです。米粉の生地のこねる工程は、粉と水を均一になじませ、ひとまとまりにするためのもの、と割り切ってください。
目安は、粉っぽいところがなくなり、表面がなめらかになって手で丸められる状態です。ひびが入るなら水が足りない、手にべったりつくなら水が多いサインなので、ここで水の量を微調整しておきましょう。
20分の発酵と、伸ばしにくいときのひと休み
北陸農政局のレシピでは、こね終わった生地を先に天板の大きさにのばし、そのうえで「ラップをして20分発酵させる」流れになっています(北陸農政局:米粉ピザのレシピ)。ラップをかけるのは、米粉の生地が乾きやすいからです。表面が乾くと、のばすときにひびが入りやすくなります。
発酵の間に、生地の中では少しずつガスと香りが生まれ、同時に米粉が水分を吸って落ち着いていきます。小麦粉の生地のように2倍に膨らむことは期待できませんが、発酵前と比べて少しふんわりして、手触りがやわらかくなっていれば十分です。
こね終えたばかりの生地は、のばしにくいことがあります。そんなとき、同じレシピには「伸ばしにくい場合は少しねかせてから」という一言が添えられています(北陸農政局:米粉ピザのレシピ)。無理に力を入れてのばそうとすると、生地が割れたり、厚みにムラができたりしやすいので、ひと呼吸おくのが正解です。
寝かせることで生地がのばしやすくなるのは、米粉が水分をより均一に吸い、生地全体が落ち着くためと考えられます。この休ませる効果は、ほかの米粉料理でも共通する考え方です。

ラップで挟んで薄く、フォークで穴をあける
このレシピでは、発酵させる前に生地をのばしておきます。北陸農政局のレシピのコツとして、生地の上にラップをかけてのばすと簡単だとされています。米粉の生地は手やめん棒にくっつきやすいので、ラップを1枚挟むだけで格段に扱いやすくなるんです。オーブンシートの上に生地を置き、その上からラップをかけてのばせば、そのまま天板に移せます。
のばす厚さは薄めが基本です。同じレシピには、米粉は火の通りが悪いため薄めに仕上げ、フォークで軽く穴をあけるというコツも書かれています。厚く仕上げると、表面に焼き色がついても中心まで熱が届かず、生焼けの原因になります。
フォークで穴をあけるのは、焼いている間に生地の中の水蒸気を逃がし、ぷくっと部分的に膨らむのを防ぐためです。部分的な膨らみができると、その下に熱が入りにくくなり、具ものせにくくなります。全体にまんべんなく、軽く刺す程度で十分です。
やりがちなのが、縁だけ厚く残してしまうこと。小麦粉のピザのように縁を立てたくなりますが、米粉の生地では縁が固く焼き締まりやすくなります。縁は真ん中よりわずかに厚い程度にとどめて、全体をなるべく均一な厚さにのばしましょう。
オーブンとフライパン、焼き方で仕上がりはどう変わる?
オーブンは220℃でしっかり予熱してから入れる
発酵型の米粉ピザを焼くとき、北陸農政局のレシピでは「220℃のオーブンで15~20分焼く」とされています(北陸農政局:米粉ピザのレシピ)。家庭用オーブンの中では高めの温度です。高温で焼くのは、薄い生地の水分を一気に飛ばし、表面を香ばしく焼き固めながら、中まで火を通すためです。
ここで大事なのは予熱です。レシピでも、オーブンを220℃で予熱してから焼く流れになっています。予熱が足りないまま生地を入れると、温度が上がるまでの間に生地がじわじわ温まり、乾いて固くなる一方で、焼き色はなかなかつきません。結果として、外は固く中はもっちりしすぎた、ちぐはぐな仕上がりになります。
焼き時間が15〜20分と幅を持っているのは、オーブンの機種や生地の厚さ、具の量によって火の通り方が違うからです。最初は15分で一度様子を見て、チーズが溶けて縁に焼き色がついていれば完成、まだならあと数分、という見方がおすすめです。
天板は、生地をのせる前から一緒に予熱しておくと、底面にも熱が入りやすくなるとされます。ただし、熱い天板の扱いにはやけどの危険があるので、オーブンシートごと生地を滑らせて移すなど、取扱説明書の範囲で安全に行ってください。
フライパンで先に焼き固める米穀機構の方法
米穀機構のレシピ集のピッツァは、フライパンを使うのが特徴です。寝かせた生地をフライパンに流し、ごく薄く広げて、両面が固まるくらいまで焼きます。そのあと具をのせ、180℃のオーブンで15〜20分焼き上げます。
この方法の利点は、生地に先に火を通しておけることです。米粉の生地は火の通りが悪いので、具をのせた状態でいきなり焼くと、具の水分で生地が蒸されて生焼けになりやすい。先に両面を焼き固めておけば、オーブンでは具を温め、チーズを溶かし、生地の表面を香ばしくすることに専念できます。オーブンの温度が北陸農政局のレシピより低い180℃なのも、生地にすでに火が通っているからだと考えられます。
失敗しやすいのは、生地を返すタイミングです。片面が十分に固まる前に返そうとすると、生地が破れてしまいます。縁が乾いて色が変わり、フライ返しを差し込んでも生地がついてこないくらいになってから返しましょう。
オーブンがない家庭では、フライパンだけで仕上げたくなるかもしれません。その場合は、生地を両面焼いたあと具をのせ、ふたをして弱めの火でチーズが溶けるまで加熱するという方法も考えられます。ただし、これは公的レシピの手順ではないので、焦げつきや火の通りを見ながら、慎重に加減してください。
トッピングとソースは、水分の少ないものから選ぶ
北陸農政局のレシピでは、生地の表面にオリーブオイルを薄く塗ってから、トマトソース、具材、チーズをのせます。オイルを塗るのは、風味づけのためだけでなく、ソースの水分が生地に直接しみ込むのを和らげる意味もあると考えられます。
米粉の生地は、水分を吸うとべたついて、焼いても乾ききらない部分が残りやすくなります。そのため、トッピングは水分の少ないものから選ぶのがコツです。生のトマトやきのこ、ほうれん草のように水が出やすい具材は、量を控えめにするか、軽く炒めて水気を飛ばしてからのせると失敗しにくくなります。
よくあるのが、ソースをたっぷり塗りすぎて、真ん中だけ生地がべちゃっとしてしまうパターンです。ソースは生地の色がうっすら透けるくらいの薄さで十分。具の量も、生地が見えるくらいの余白を残すと、熱が通りやすくなります。
アレンジとしては、トマトソースのかわりに、しょうゆやみそを使った和風の味つけもよく合います。米粉の生地はもちもちとした食感が強いので、照り焼きチキンやしらす、のりなど、ごはんに合う具材とも相性がよいと感じる人が多いでしょう。
残ったピザの冷凍と、焼き直しの考え方
米粉ピザが残ったら、冷凍しておくこともできます。ただ、米粉の生地は、でんぷんが冷えると固くなりやすい性質があるので、冷蔵庫に入れたままにすると、食感が落ちやすい傾向があります。翌日以降に食べるなら、冷凍のほうが向いていると考えられます。
冷凍するときは、粗熱がとれたら1切れずつラップで包み、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いておきます。表面が乾いたり、冷凍庫のにおいが移ったりするのを防ぐためです。保存期間の目安については、この記事で根拠となる一次情報を確認できていないため、数値は示しません。できるだけ早めに食べきるようにしましょう。
焼き直しで失敗しやすいのは、電子レンジだけで温めて、生地がふにゃっとしてしまうことです。米粉のでんぷんは温めると再びやわらかくなりますが、レンジだけでは表面の香ばしさが戻りません。オーブントースターやフライパンで焼き直すと、表面のパリッとした感じが戻りやすくなります。
凍ったままトースターに入れると、表面だけ焦げて中が冷たいまま、ということも起こります。レンジで軽く解凍してからトースターで焼くなど、2段階に分けると、中まで温まりやすくなります。いずれの方法でも、中心までしっかり温まっているかを確かめてから食べてください。
固い・生焼け・べたつく…失敗の原因はほぼ3つに分かれる
真ん中が生っぽいのは、厚さと予熱のどちらかが原因
米粉ピザの失敗で最も多いのが、縁はこんがり焼けているのに、真ん中だけ生っぽく、ねっちりしているというものです。原因の多くは、生地が厚すぎるか、オーブンの予熱が足りないかのどちらかにあります。
北陸農政局のレシピにもあるとおり、米粉は火の通りが悪い粉です。小麦粉のピザ生地と同じ厚さでのばすと、表面が焼ける前に中心まで熱が届きません。さらに、具やソースを多くのせると、その水分で生地の上面が蒸されたような状態になり、生焼けが加速します。
具体的な場面で言うと、家族みんなで食べたくて大きな1枚にしようと生地を厚めに残したとき、具をたっぷりのせたとき、予熱完了の合図を待たずに入れたとき。このどれかに心当たりがあれば、それが原因の可能性が高いです。
対策は、生地を薄めにのばしてフォークで穴をあけること、オーブンを220℃でしっかり予熱すること、具を控えめにすることの3つです。それでも心配なら、米穀機構のレシピのように、具をのせる前に生地だけを先に焼いておく方法に切り替えると、生焼けのリスクを大きく減らせます。
原因:米粉は火の通りが悪く、厚い生地では中心まで熱が届く前に表面が焼けてしまう。具の水分が生地を蒸してしまうことも重なる。
対策:生地は薄めにのばしてフォークで穴をあける。オーブンは220℃でしっかり予熱し、具は生地が見えるくらいに控えめに。心配なら生地だけ先に焼いておく。
生地がべたついてのばせないのは、水の量と休ませ不足
次に多いのが、生地が手やめん棒にべったりくっついて、うまくのばせないという失敗です。これは水の量が多すぎるか、生地を休ませる時間が足りないことが原因になっている場合がほとんどです。
前に触れたとおり、米粉は製品によって水の吸い方が違います。北陸農政局のレシピで水が115〜120mlと幅を持たせてあるのは、そのためです。レシピに書かれた量を最初から全部入れてしまうと、吸水の少ない粉ではゆるい生地になってしまいます。
台所でよく起きるのが、べたつくからと米粉を打ち粉として何度も足してしまうパターンです。表面の粉が生地に練り込まれて配合が変わり、焼き上がりが粉っぽくなったり、固くなったりします。小麦粉の生地なら打ち粉でしのげる場面でも、米粉の生地では逆効果になりやすいのです。
対策は、水を少なめから入れて調整すること、生地をラップで挟んでのばすこと、それでも扱いにくければ少しねかせることです。米穀機構のレシピのように、最初から流れる生地にしてフライパンで焼く方法なら、べたつきの悩み自体がなくなります。
焼き上がりが固い、冷めると固くなるのは焼きすぎとでんぷんの性質
3つめの失敗が、焼き上がりが固い、あるいは焼きたてはもっちりしていたのに、少し時間がたつと固くなってしまうというものです。原因は、焼きすぎによる水分の飛びすぎと、米のでんぷんが冷めると固くなりやすい性質の2つが考えられます。
オーブンの焼き時間を長くとりすぎたり、予熱が足りないまま長時間焼いたりすると、生地の水分が抜けすぎて、せんべいのような固さになります。特に薄くのばした縁の部分は火が入りやすく、真ん中に合わせて焼き続けると、縁だけ固くなります。
また、米のでんぷんは、炊いたごはんが冷めると固くなるのと同じように、焼いた生地も冷めると固くなりやすい傾向があります。焼きたてのもちもち感が、テーブルに出して少したつと失われてしまうのはこのためです。
対策は、焼き時間を15分前後で一度確認し、焼きすぎないこと。そして、焼き上がったらできるだけ早く食べることです。人数が多いときは、一度に全部焼かず、食べるペースに合わせて1枚ずつ焼くと、どの人も焼きたての食感を楽しめます。
膨らまないのは失敗ではない、と知っておく
最後に、失敗と思われがちだけれど、実はそうでないケースを挙げておきます。発酵させたのに生地がほとんど膨らまない、焼いても小麦粉のピザのような厚みが出ない、という悩みです。
これは米粉の性質によるもので、作り方の間違いではありません。農林水産省の特性ページにあるとおり、米にはグルテンが含まれないため、米粉の生地は膨らみにくいのです。グルテンを加えたパン用米粉でなければ、イーストのガスを生地の中にとどめておく骨格がありません。
膨らみを求めて発酵時間を大幅に延ばしたり、イーストを増やしたりしても、生地が大きく膨らむことは期待しにくく、かえって発酵臭が強くなったり、生地がだれたりすることがあります。レシピの分量と時間を守るほうが、仕上がりは安定します。
米粉ピザは、膨らみではなく、薄い生地の香ばしさともちもち感を楽しむ料理だと割り切ることが、満足できる仕上がりへの近道です。どうしても厚みのある生地にしたい場合は、グルテン入りのパン用米粉を選ぶという方法がありますが、その場合は小麦の成分を含む生地になることを理解しておきましょう。
グルテンフリーと書いてあれば安心?袋の表示を読み解く
ノングルテン表示は、グルテン含有量1ppm以下の米粉
米粉の袋には、グルテンフリー、ノングルテンといった表示が書かれていることがあります。このうちノングルテンという表示には、はっきりとした基準があります。農林水産省の資料では、ノングルテンの対象を「グルテン含有量が1ppm 以下の米粉」としています(農林水産省:米粉の用途別基準等(PDF))。
この基準は、平成29年の米粉製品の普及のための表示に関するガイドラインで示されたもので、グルテン含有量が1ppm以下の米粉にノングルテン(Non-Gluten)と表示し、第三者機関の検査を受けることとされています。米そのものにはグルテンが含まれませんが、製粉や包装の工程で小麦粉と同じ設備を使えば、ごく微量の小麦が混ざる可能性があります。ノングルテン表示は、そうした混入まで管理された米粉であることを示すものなんですね。
ここで勘違いしやすいのが、米粉と書いてあればすべてグルテンを含まない、と考えてしまうことです。前の章で見たように、パン用米粉にはグルテンを添加した製品があります。また、ノングルテン表示のない米粉については、どこまで混入が管理されているかを袋の表示だけでは判断できない場合があります。
つまり、米粉かどうかと、グルテンを含まないかどうかは、別々に確認する必要があるということです。グルテンを避けたい事情があるなら、ノングルテン表示や原材料名を必ず確かめてください。
ノングルテン米粉=グルテン含有量が1ppm以下の米粉。平成29年の表示ガイドラインで、第三者機関の検査を受けたうえでノングルテン(Non-Gluten)と表示する仕組みが示された。製造工程を管理する規格として、ノングルテン米粉の製造工程管理JAS(JAS0014)もある。
JAS規格と第三者認証、2つの仕組みがある
ノングルテン米粉には、それを裏づける仕組みが2つあります。ひとつは、ノングルテン米粉の製造工程管理JAS(JAS0014)です。2020年10月に制定され、2021年6月から認証が始まりました。製品ができあがったあとの検査だけでなく、原料の受け入れから製粉、包装までの工程で、小麦などの混入を防ぐ管理ができているかを確かめる規格です。
もうひとつが、ノングルテン米粉製品の第三者認証制度です。農林水産省のページでは、この制度について「日本米粉協会が管理運営」と説明されています(農林水産省:ノングルテン米粉について)。2018年6月14日に第1号の認証が行われました。
どちらの仕組みでも、袋に認証を示すマークや表示が入ります。店頭で迷ったときは、まずノングルテンの表示があるかを見て、さらに認証のマークがあるかを確認すると、その米粉がどのような管理のもとで作られたかの手がかりになります。
注意したいのは、認証やマークの有無だけで、その米粉がどんな人にとっても問題ないと判断しないことです。表示はあくまで、定められた基準や工程管理を満たしているという情報です。個別の体質や事情に合うかどうかの判断は、表示とは別の問題として考える必要があります。
やりがちな失敗:パン用米粉の原材料欄を見落とす
米粉ピザでよくある2つめの失敗が、グルテンを含まない生地を作りたかったのに、グルテン入りのパン用米粉を選んでしまうことです。パン用の米粉は、ピザやパンに使いやすいと書かれていることが多く、レシピを見て何気なく手に取りやすい粉です。
原因は、袋の表面の米粉という大きな文字だけを見て、原材料名の欄まで確認しないことにあります。用途別基準では、パン用の米粉にグルテンを添加する場合はその旨を明記する必要があるとされていますから、原材料欄を見れば判断できます。それでも、表面のデザインや商品名だけでは気づきにくいことがあるのです。
この失敗は、作ったあとに気づくと取り返しがつきません。家族や友人にグルテンを避けたい人がいて、その人のために作ったピザだった場合、知らずに小麦の成分を含む生地を出してしまうことになります。
対策は、米粉を買うときに必ず原材料名の欄を確認すること、そしてグルテンを避けたい場合はノングルテンの表示がある米粉を選ぶことです。家に複数の米粉があるなら、袋に用途やグルテン入りかどうかをメモしておくと、取り違えを防げます。
原因:パン用米粉にはグルテンを18〜20%程度添加した製品があり、袋の表面だけでは気づきにくい。
対策:購入時は原材料名の欄を必ず確認。グルテンを避けたい場合はノングルテン表示の有無を見る。家にある米粉には用途とグルテンの有無をメモしておく。
生地以外の材料にも目を向ける
グルテンを避けたい事情があって米粉ピザを作る場合、気をつけたいのは粉だけではありません。ピザには、ソース、チーズ、ハムやベーコンなどの加工品、そして米穀機構のレシピのようにチキンブイヨンを使うものもあります。こうした材料の中には、原材料に小麦が使われているものがあります。
せっかくノングルテンの米粉を選んでも、ソースや具材に小麦が含まれていれば、ピザ全体としてはグルテンを含むことになります。米粉ピザという名前から、全体が小麦を含まない料理だと思い込んでしまうのは、見落としやすいポイントです。
具体的には、市販のピザソースやトマトソース、ブイヨンの素、加工肉などの原材料名を確認します。小麦や小麦たんぱくと書かれていないかを見るだけでも、取り違えはかなり防げます。調理器具や作業台に残った小麦粉が混ざる可能性もあるので、同じ日に小麦粉を使った料理を作るときは、道具をよく洗ってから使いましょう。
ただし、こうした確認でどこまで対応すればよいかは、人によって事情が違います。この記事は家庭の料理として米粉ピザを作るための知識をまとめたもので、食事制限の判断をするためのものではありません。表示の読み方を知ったうえで、実際の判断はご本人の状況に合わせて行ってください。
まとめ
米粉ピザは、小麦粉のピザの代わりというより、もちもちとした別の料理として楽しむと、ぐっと作りやすくなります。最初の1枚は、北陸農政局のレシピどおり、米粉150gに水を少なめから加えて生地をまとめ、ラップで挟んで薄くのばし、220℃のオーブンで焼いてみてください。焼き上がりの厚さと食感を確かめたら、次は水の量や具の量を少しずつ調整していく。それを2〜3回くり返すうちに、自分の家のオーブンと手持ちの米粉に合った焼き方が見えてきます。オーブンがない、生地をのばすのが苦手という場合は、米穀機構の薄焼き型から始めるのもよい選択です。
※米粉の基準や認証制度、レシピの内容は、農林水産省・米穀機構などの公表ページで最新の情報をご確認ください。

コメント