ハンバーグの横に添えたい、オムライスの土台にしたい。そう思ってバターライスを作ってみたら、べちゃっとした、塩気が強すぎた、バターの香りが飛んでしまった。そんな経験はありませんか。バターライスは材料が少ないぶん、入れる順番と水加減の小さな差が仕上がりにそのまま出る料理です。
先に結論をお伝えすると、家庭の炊飯器で作るなら、研いだお米に調味料を入れてから水位線まで水を足し、炊込みコースで炊いて、炊き上がりのブザーが鳴ってからバターを混ぜる。これが基本です。パナソニックの公式レシピも、芦屋市保健センターが公開しているレシピも、バターは炊き上がった後に加える手順になっています。
この記事では、メーカー公式レシピと自治体の資料、炊飯器メーカーの注意事項、乳業メーカーのバターの解説、農林水産省の食中毒の情報をもとに、なぜその順番なのか、どこで失敗が起きるのかを理屈から説明していきます。フライパンでの作り方やアレンジ、作り置きの注意までひと通り押さえられる構成です。
・公式レシピ3本から読む、バターライスの基本の分量と手順
・バターを炊く前ではなく炊き上がり後に入れる理由
・有塩バターと食塩不使用バターで塩加減をどう変えるか
・フライパンでの作り方、アレンジ、作り置きするときの注意
バターライスとピラフはどう違う?入れる順番で料理の性格が変わります

炊いたご飯にバターをまとわせるのがバターライスの考え方
バターライスは、炊き上がったご飯にバターを混ぜ込んで、香りとコクをまとわせたご飯のことだと考えると整理しやすくなります。洋食屋さんでハンバーグやエビフライの横に添えられている、ほんのり黄色みがかったご飯がその代表です。
なぜ炊いた後に混ぜるのかというと、バターの香りは熱で飛びやすく、乳脂肪の風味を残すには加熱しすぎないほうが有利だからです。炊き上がった直後のご飯は十分に熱いので、バターを入れればすぐに溶けて粒の表面に広がります。わざわざ一緒に炊き込まなくても、全体に行き渡るわけです。
台所でよくあるのは、香りを強くしたいからとバターを最初から内釜に入れてしまうパターンです。これは味の問題だけでなく、炊飯器の注意事項とも関係してきます(後半で詳しく説明します)。
コツは、バターを入れたら切るように混ぜること。しゃもじで練るように混ぜると粒がつぶれ、表面の脂がべたつきの原因になります。ご飯の粒をほぐしながら、バターを粒のすき間に行き渡らせるイメージで扱ってください。
ピラフは一般に米を炒めてから炊く料理とされます
一方のピラフは、一般的には生の米をバターや油で炒めてから、スープで炊き上げる料理として紹介されることが多い料理です。米の表面を油でコーティングしてから炊くため、粒が離れやすく、パラッとした食感に仕上がる傾向があります。
理屈としては、油の膜があることで米の表面からでんぷんが溶け出しにくくなり、粒どうしがくっつきにくくなるという考え方です。そのぶん、米の中心まで水が入るのに時間がかかり、加熱の加減を誤ると芯が残りやすいという難しさもあります。
やりがちな失敗は、炊飯器で炒めた米をそのまま炊こうとすること。フライパンで炒めた米を内釜に移して炊く方法を紹介する情報もありますが、炊飯器は油の量について機種ごとに注意書きがあるため、炒めた油ごと入れる前に取扱説明書を確認する必要があります。
家庭で手軽に作るなら、炒める工程を省いて、炊き上がり後にバターを足すバターライス型のほうが失敗が少なく、片付けも内釜ひとつで済みます。
メーカーのピラフのレシピも、実はバターは後入れです
意外と知られていないけれど、炊飯器メーカーが公開しているピラフのレシピは、米を炒めずに炊いています。パナソニックの公式レシピ「ピラフ」では、研いだ白米に顆粒コンソメスープの素や白ワインなどの調味料を入れて水位線まで水を足し、具をのせて炊き、炊き上がり後にバターを加える流れになっています。
手順の該当部分はパナソニック公式レシピ「ピラフ」では、ブザーが鳴ったらマッシュルーム、コーン、無塩バターを加え、ごはんを上下ひっくり返すようにふんわりほぐす手順になっています。名前はピラフでも、作り方の骨格はバターライスと同じなのです。
つまり家庭の炊飯器では、ピラフとバターライスの境目は具が入るかどうか程度で、作業の順番は共通だと考えて差し支えありません。具を入れなければバターライス、えびや野菜を入れればピラフ風、と切り替えられます。
注意したいのは、レストランのピラフと同じパラパラ感を期待しすぎないこと。炒めない作り方は粒の表面に油の膜がないぶん、普段のご飯に近いしっとりした食感になります。付け合わせとしてはむしろ食べやすい仕上がりです。
付け合わせか主役かで作り方を選びます
どちらを作るか迷ったら、そのご飯を料理の脇役にするのか、主役にするのかで決めると選びやすくなります。ハンバーグやシチューの横に置くなら具なしのバターライス、それだけで一皿にしたいなら具を入れたピラフ風が向いています。
理由は味の重なり方です。ソースのある料理に合わせるご飯は、コンソメとバターの味が主張しすぎるとおかずの味とぶつかります。具なしで塩気を控えめにしておけば、ソースを受け止める役に回れます。
やりがちなのは、オムライス用のバターライスにケチャップ味まで足してしまうこと。中のご飯も外のソースも濃くなり、食べ進めるうちに重たく感じやすくなります。
決め方のコツは、合わせるおかずの味が濃いほど、ご飯側の調味料を引くことです。公式レシピの分量は単体でも食べられる味付けとして組まれているので、付け合わせにするならコンソメや塩を少し控えめにする、という調整から始めてみてください。
バターライス=炊いたご飯にバターを混ぜて香りとコクをつけたご飯。ピラフ=一般に米を油脂で炒めてからスープで炊く料理とされるが、炊飯器メーカーのレシピでは炒めずに炊き、バターを炊き上がり後に加える手順になっている。家庭の炊飯器では両者の作業手順はほぼ共通です。
バターライスレシピの基本の分量は?公式・自治体の3本を並べて比較
パナソニック公式は白米3合に無塩バター30g
基準にしやすいのは、パナソニック公式レシピ「ピラフ」の分量です。4人分で白米3合、無塩バター30g、顆粒コンソメスープの素大さじ1、白ワイン大さじ3、塩少々という組み立てになっています。
この分量のポイントは、塩味の出どころをはっきり分けていることです。バターは食塩を含まない無塩タイプを使い、塩気はコンソメと塩で決めています。こうしておくと、塩加減を調整したいときに、どこを減らせばよいかが一目でわかります。
やりがちな失敗は、手元に有塩バターしかないのに、レシピどおり塩少々も足してしまうことです。有塩バターには食塩が含まれているので、そのまま置き換えると塩気が重なります(有塩と無塩の違いは後半で説明します)。
コツとしては、初めて作るときはこの公式の分量を一度そのまま試してみることをおすすめします。基準の味を一度知っておくと、次からバターを増やすか、コンソメを減らすかの判断が自分の舌でできるようになります。白ワインがなければ省いてもご飯は炊けますが、その場合は水位線までの水で補う形になります。
オートクッカー版は水600mLまで書かれています
パナソニックには、もう1本ピラフのレシピがあります。こちらは白米450g(3合)、水600mL、バター36g、たまねぎ150g、シーフードミックス150g、ミックスベジタブル150g、顆粒コンソメ大さじ1 1/2、塩小さじ1/2、こしょう少々という分量で、水の量まで数字で示されています。
ただし、このレシピはオートクッカー ビストロ NF-AC1000、NF-AC700専用のレシピです。炊飯器の内釜の水位線で水を量る作り方とは前提が違うため、一般の炊飯器でこの水の量をそのまま使うのは避けてください。
参考になるのは、水を切る工程の扱いです。パナソニック公式のオートクッカー版レシピには「米を洗い、ザルでしっかり水を切る。」とあります。研いだ米に残った水が多いと、量った水の量に上乗せされて水っぽくなるため、水を数字で量る作り方ほど、この工程が効いてきます。
炊飯器で作る場合でも、研いだ後の水切りを丁寧にしておくと、水位線で合わせたときの誤差が小さくなります。地味な工程ですが、べちゃつき対策の第一歩です。
芦屋市の1合レシピはバター4gと控えめ
少人数分を作りたいときに参考になるのが、芦屋市保健センターが公開しているカレーピラフのレシピです。米150g(1合)、玉ねぎ50g、にんじん50g、エリンギ20g、コーン30g、コンソメ3g、カレー粉1g、塩少々、バター4gという分量になっています。
手順は、芦屋市保健センターの資料に「米は洗って普通の水加減で30分浸水する。」とあり、具材と調味料を炊飯器に入れて普通モードで炊き、炊き上がったらバターを入れて混ぜる流れです。メーカー公式とは別の出どころですが、具は先に入れてバターは後から、という順番は一致しています。
パナソニックのレシピと比べるとバターの量が控えめで、メーカーのレシピのほうがバターの香りを前に出した味付けといえます。レシピによってバターの量には幅があるということです。
コツは、自分の好みに近いほうを基準に選ぶこと。バターの風味をしっかり感じたいならパナソニック寄り、カレー粉や野菜の味を立てたいなら芦屋市寄りの考え方が合います。
合数を変えるときはバターも調味料も比例で考えます
公式の分量は3合で組まれているので、2人分や1人分を作るときは量を減らす必要があります。このときの基本は、米・バター・調味料をすべて同じ割合で減らすことです。水は数字で量らず、炊く合数の水位線に合わせれば自動的に釣り合います。
比例で考える理由は、味の濃さが米の量に対する調味料の割合で決まるからです。米だけ減らして調味料をそのままにすると塩気が強くなり、バターだけ減らし忘れると脂っぽくなります。
台所で起きやすいのは、コンソメの顆粒を大さじで量るときに山盛りになり、少量で作るほど誤差の割合が大きくなるパターンです。少ない合数ほど、すりきりで量ることを意識してください。
使うお米は普段炊いている白米でかまいません。粘りの強い品種ほどしっとり、あっさりした品種ほど軽めの仕上がりになる傾向はありますが、まずは家にあるお米で基準の味を作ってみるのが近道です。品種ごとの特徴の読み方は、こちらの記事でも解説しています。

| 項目 | パナソニック ピラフ | パナソニック オートクッカー版 | 芦屋市保健センター カレーピラフ |
|---|---|---|---|
| 米の量 | 白米3合(4人分) | 白米450g(3合) | 米150g(1合) |
| 水 | 調味料を入れてから水位線まで | 水600mL(専用機の分量) | 普通の水加減で30分浸水 |
| バター | 無塩バター30g | バター36g | バター4g |
| 主な調味料 | 顆粒コンソメスープの素大さじ1、白ワイン大さじ3、塩少々 | 顆粒コンソメ大さじ1 1/2、塩小さじ1/2、こしょう少々 | コンソメ3g、カレー粉1g、塩少々 |
| バターを入れる時期 | 炊飯完了のブザー後 | 炊く前に具材・調味料と一緒に入れる(専用機の手順) | 炊き上がり後 |
| 炊き方 | 白米または無洗米から炊込みを選択 | オートクッカー ビストロ専用 | 炊飯器の普通モード |
炊飯器で作る手順は?調味料は水位線の前、バターはブザーの後

研いだ米に調味料を入れてから水位線まで水を足します
炊飯器で作るときに一番大事なのは、調味料と水を入れる順番です。パナソニック公式のピラフの公式レシピでは、白米を洗い、混ぜ合わせた調味料を入れてから水位線まで水を入れ、よくかき混ぜて平らにする手順になっています。先に調味料、その後に水、という順番です。
この順番の理由は、白ワインのような液体の調味料も炊飯に使う水分の一部になるからです。調味料を先に入れてから水位線に合わせれば、液体の調味料を含めた全体の水分が、炊く合数にちょうど合う量に収まります。
台所でよくある失敗は、いつもの白米と同じ感覚で水位線まで水を入れ、その後に白ワインや溶かしたコンソメを足してしまうこと。こうすると調味料の分だけ水分が多くなり、炊き上がりがべちゃっとしやすくなります。
水を足した後にかき混ぜるのは、顆粒のコンソメを溶かして底に溜まらないようにするためです。混ぜた後に水位線から少し下がって見えたら、そこで改めて線に合わせ直してください。無洗米で作る場合も、無洗米の水位線を使えば同じ考え方で作れます。

具はのせるだけで混ぜません
具を入れてピラフ風にする場合は、調味料と水を合わせた後で具を上にのせます。パナソニック公式のレシピでは、手順で、えび・玉ねぎ・にんじん・ピーマンを上にのせて「混ぜない」と明記されています。
混ぜない理由は、具が米の間に入り込むと、米に水と熱が均一に伝わりにくくなるからだと考えられます。炊飯器は内釜の底から加熱して対流で米を炊くので、具は上にまとめてのせておくほうが、米の炊け方のむらを抑えられます。
やりがちなのは、彩りよく見せたくて具と米を最初から全体に混ぜ込んでしまうこと。具の重なった部分だけ米が硬い、あるいは逆に具の水分でやわらかすぎる、という状態になりやすいです。
具を均等にしたいなら、炊き上がった後にバターを入れるタイミングで一緒に混ぜればよいのです。マッシュルームやコーンのように火が通っている具は、公式レシピでも炊き上がり後に加える手順になっています。
炊飯コースは炊込みを選びます
コースは白米の普通炊きではなく、炊込みコースを選びます。パナソニック公式のピラフは、白米または無洗米のメニューから炊込みを選択して炊飯を開始する手順です。
炊込みコースを選ぶ意味は、調味料や具が入った状態で炊くことを前提にした加熱になっているからです。日立の注意事項でも、具の入る炊き込みごはんは圧力をかけない炊き込みのメニューで炊くよう案内されています。圧力IHの炊飯器では、ここを間違えないことが特に大切です。
具なしのバターライスなら普通炊きでよいのでは、と考える人もいるでしょう。芦屋市のカレーピラフは普通モードで炊く手順ですが、こちらは圧力機能の有無を問わない一般的な資料です。コンソメなどの調味料を入れて炊く以上、お手持ちの機種で調味料入りの炊飯に対応したコースがどれかを、取扱説明書で確かめておくのが確実です。
もうひとつの注意点は、早炊きコースです。調味料入りのご飯は白米より水を吸いにくいとされるため、短い加熱では芯が残りやすくなります。急いでいるときほど、炊込みコースを選んでください。
ブザー後にバターを加えてほぐします
炊き上がりのブザーが鳴ったら、ふたを開けてバターを加え、全体をほぐします。バターは塊のままご飯の上に置き、ご飯の熱で溶け始めたところで、しゃもじを縦に入れて切るように混ぜるのが基本です。
ブザー後すぐに入れる理由は、炊き上がり直後がいちばんご飯の温度が高く、バターが素早く溶けて全体に広がりやすいからです。時間が経ってご飯が冷めると、バターが溶けきらずに一部に固まり、混ぜる回数が増えて粒がつぶれます。
やりがちな失敗は、バターを冷蔵庫から出したての大きな塊のまま入れること。溶けるまで待つ間に混ぜすぎてしまいます。あらかじめ小さめに切って常温に置いておくと、ご飯の熱だけで十分に溶けます。
コツは、混ぜ終わった後に一度ふたを閉めて全体をなじませること。バターがご飯の表面に落ち着き、香りが内釜の中に回ります。仕上げにパセリを散らせば、公式レシピと同じ見た目になります。
いつもの白米と同じく水位線まで水を入れてから白ワインや溶いたコンソメを足すと、調味料の液体分だけ水分が多くなり、べちゃっとした炊き上がりになりがちです。原因は水分の二重計上。対策は、調味料を先に入れてから水位線に合わせること。これだけで水加減の失敗はほぼ防げます。
なぜバターを炊く前に入れないの?炊飯器の注意書きから理由を読む
日立は多量の油を入れる料理を避けるよう案内しています
バターを炊飯の最初から入れない理由は、味や香りだけではありません。炊飯器メーカーの注意事項にも関わってきます。日立の炊飯器の注意事項では、炊飯器でしてはいけない料理の例として、日立の公式サポートページに「多量の油を入れる料理」が挙げられています。
バターは乳脂肪を主成分とする油脂です。少量なら問題にならない機種もありますが、香りを強くしたくて大量のバターを炊飯前に入れるのは、この注意事項の考え方から外れていきます。どれくらいなら多量にあたるのかは機種ごとに異なり、一般化できる数字はありません。
この点で、パナソニック公式のピラフがバターを炊き上がり後に加える手順になっているのは、炊飯中に多量の油を入れない運用と整合しています。理屈から見ても、後入れのほうが炊飯器にとって無理のない作り方なのです。
家庭で守るべきことはシンプルで、バターは炊き上がってから入れる、という一点です。これなら機種の違いを気にせず、どの炊飯器でも同じ手順で作れます。
圧力をかけない炊き込みのメニューを選ぶ理由
圧力IH炊飯器を使っている場合は、コース選びがもうひとつの分かれ目になります。日立の注意事項では、具の入る炊き込みごはんは圧力をかけない炊き込みのメニューで炊くよう案内されています。
理由として挙げられているのは安全面です。圧力をかけて炊くと具材が調圧弁に詰まり、ふたが突然開いてやけどをするおそれがある、という説明になっています。具の入ったピラフ風を作るときには、ここが味以前の問題になります。
やりがちなのは、いつも使っている白米の圧力炊きのコースのまま、具を入れて炊いてしまうこと。ボタンを押す前に、表示されているメニューが炊き込み系になっているかを確かめる習慣をつけてください。
具なしのバターライスでも、コンソメなどの調味料を入れて炊く以上、調味料入りの炊飯に対応したコースを選ぶのが基本です。どのメニューが該当するかはメーカーや機種で名前が違うので、取扱説明書のメニュー一覧を一度見ておくと迷いません。
浮きやすい具材とアルミ箔は入れません
アレンジで具を変えたくなったときに確認したいのが、入れてはいけない具材の注意です。日立の注意事項には、日立の公式サポートページに「青菜、トマトなど薄皮状のものが浮きやすい野菜、具材を入れた料理や、クッキングシート、アルミ箔、ラップを使った料理はしない」とあります。
薄い皮や葉が浮くと、蒸気の通り道に張り付いてふさいでしまうおそれがある、という考え方です。トマト入りのバターライスやほうれん草を混ぜた彩りご飯を作りたいときは、炊飯器で炊き込まずに別に加熱しておき、炊き上がり後に混ぜるほうが安全です。
台所でよくあるのは、バターを包んだ銀紙ごと内釜にのせてしまう、ラップに包んだ具を一緒に温めようとする、といったうっかりです。どちらも注意事項に反する使い方になります。
パナソニック公式のピラフでも、マッシュルームやコーンは炊き上がり後に加える手順です。迷う具材は後入れにする、と覚えておけば、注意事項に触れる心配はほとんどなくなります。
手元の機種の取扱説明書を最優先にします
ここまで日立とパナソニックの公式情報を紹介してきましたが、炊飯器の注意事項はメーカーや機種によって異なります。最終的に従うべきなのは、お手持ちの炊飯器の取扱説明書です。
メーカーごとに違いが出る理由は、加熱方式や圧力機能の有無、内釜の構造が機種ごとに異なるからです。ある機種では問題のない使い方が、別の機種では注意事項に含まれていることもあります。1社の案内をすべての炊飯器に当てはめることはできません。
見落としがちなのは、取扱説明書の炊き込みごはんのページだけでなく、使ってはいけない料理や材料の一覧のページです。油脂、具材、調味料の量に関する注意はこちらにまとめて書かれていることが多いです。
取扱説明書を手元に置いていない場合は、メーカーのサポートページで型番から検索すると見つかることが多いです。一度確認しておけば、バターライス以外の炊き込みごはんでも迷わなくなります。
バターは炊き上がってから入れる。具入りは圧力をかけない炊き込みのメニューで炊く。青菜やトマトなど浮きやすい具材、アルミ箔やラップは内釜に入れない。どれも炊飯器メーカーの注意事項に沿った作り方で、細かな条件は機種ごとに違うので、最終的には手元の取扱説明書で確認してください。
有塩バターと食塩不使用バター、どちらで作るとよい?
バターは乳脂肪分80.0%以上の乳製品です
バターの選び方を考える前に、そもそもバターがどういう食品なのかを押さえておきましょう。明治の食育サイトでは、バターは生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもので、明治の解説ページに「乳脂肪分80.0%以上」と規格が示されています。水分は17.0%以下です。
作り方は、生乳などからつくられたクリームを攪拌し、生じた脂肪粒を集めて固め、練り上げたものと説明されています。つまり、バターの大部分は乳脂肪で、残りのわずかな部分に水分や乳由来の成分が含まれている、という構成です。
この性質が、炊き上がり後に混ぜる作り方と相性のよい理由でもあります。乳脂肪は熱で溶けて液状になり、ご飯の粒の表面に薄く広がります。少しの量でも全体にコクと香りが行き渡るのはこのためです。
逆に言えば、バターをたくさん入れても、ご飯が吸い込む量には限りがあります。入れすぎると粒に乗りきらない脂が内釜の底や器に残り、口当たりが重くなるだけです。量を増やす前に、混ぜ方を見直すほうが香りの印象は変わりやすいです。
有塩バターには1.5%前後の食塩が入っています
スーパーでよく見かける普通のバターは、たいてい有塩バターです。明治の解説では、明治の解説ページに「バターを練圧する工程で1.5%前後の食塩(NaCl)が加えられます」と書かれています。食塩が入ることで風味がよくなり、保存性も高まるとされています。
一方の食塩不使用バターは、食塩を加えず、生乳由来の成分だけでつくられたバターです。主に製菓用や調理用として使われ、保存期間は有塩バターより短いとされています。お菓子作りで使う機会が多いので、家に残っている人もいるかもしれません。

バターライスでの違いは、ずばり塩分の出どころが増えるかどうかです。有塩バターを使えば、バター自体が塩味の一部を担います。食塩不使用バターなら、塩味はすべてコンソメと塩で決めることになります。
どちらが正解ということはありません。大事なのは、自分がどちらを使っているのかを把握して、ほかの調味料の量を合わせることです。パッケージの名称の欄に有塩か食塩不使用かが書かれているので、使う前に一度確かめてください。
公式ピラフが無塩バターを使う組み立て
パナソニック公式のピラフは、無塩バター30gを使い、塩味はコンソメと塩少々で調える組み立てです。バターは香りとコクの担当、塩味は調味料の担当と、役割が分かれています。
この組み立ての利点は、味の調整がしやすいことです。塩気が足りなければ塩を、物足りなければコンソメを、香りが弱ければバターを、とひとつずつ動かせます。有塩バターを使うと、バターを増やしたときに塩気まで一緒に上がってしまい、香りだけを強くすることができません。
実は、バターライスの味を決めているのは、バターの量よりも塩分の出どころの数です。コンソメ、塩、有塩バター、さらにオムライスならケチャップやハムと、塩味の出どころが重なるほど、ひとつずつは少量でも合計で塩辛くなります。味がしょっぱいと感じたら、どれかを減らすのではなく、出どころをひとつ減らすと考えると調整が早くなります。
付け合わせにする場合は、合わせるおかずにも塩味があるので、ご飯側の出どころは少ないほうがまとまりやすいです。無塩バターを使う組み立ては、その点でも扱いやすい方法です。
有塩バターで作るときは塩を後から足します
家に有塩バターしかない場合でも、もちろんバターライスは作れます。そのときは、公式レシピの塩少々をいったん入れずに炊き、バターを混ぜた後で味をみてから塩を足す、という順番にすると失敗しにくくなります。
理由は、有塩バターに含まれる食塩が、炊き上がり後に加わるからです。炊く前の段階では、バターがどれだけ塩味を足すかが読めません。炊飯前に塩を入れて、さらに有塩バターを混ぜると、気づいたときには塩辛いということになりがちです。
やりがちなのは、レシピの分量どおりに全部入れてから味をみること。ご飯に入った塩は後から抜けないので、足すのは簡単でも引くのは難しいのです。
コツは、少量のご飯を小皿に取って味をみることです。内釜の中で直接味見をすると、混ぜ方のむらで場所によって味が違い、判断を誤りやすくなります。全体をよく混ぜてから一口分を取り、塩を足すかどうかを決めてください。
フライパンでも作れる?香りを変えるアレンジ4通り
炊いたご飯で作るフライパンのバターライス
炊飯器で炊き込む時間がないときや、炊いてあるご飯が残っているときは、フライパンで作る方法もあります。炊いたご飯をバターで炒め合わせ、コンソメと塩で味を調える作り方です。
この方法の利点は、バターを加熱する時間が短く、香りが立ちやすいことです。フライパンでバターを溶かし、泡立ってきたところにご飯を入れれば、バターの香りがご飯に移ります。炊飯器の後入れよりも、少し香ばしさのある仕上がりになります。
よくある失敗は、冷たいご飯の塊をそのまま入れて、ほぐそうとへらで押しつぶしてしまうこと。粒がつぶれて粘りが出て、べたついた炒めご飯になります。冷やご飯を使う場合は、電子レンジで温めてほぐしてからフライパンに入れると、粒を傷めずに混ぜられます。
コツは、コンソメの顆粒を直接ご飯にふりかけず、少量の湯で溶いてから回し入れることです。顆粒のままだと溶けきらずに一部だけ塩辛くなりやすいためです。火加減は中火程度にとどめ、バターが焦げないように手早く仕上げてください。
米から炒めるピラフ風は鍋炊きの理屈で考えます
米を生のまま炒めてから炊くピラフ風に挑戦したい場合は、炊飯器ではなく、ふたのできる厚手の鍋やフライパンで炊くと考えるのが安全です。炒めた油ごと炊飯器に入れることになるため、多量の油を入れる料理を避けるという炊飯器の注意事項と相性がよくないからです。
鍋で炊く場合の理屈は、普通のご飯の鍋炊きと同じです。強めの火で沸騰させて米に熱を通し、沸いたら火を弱めて水分を米に吸わせ、水分がなくなったら火を止めて蒸らします。炒めた米は表面に油の膜がある分、水を吸うのがゆっくりになります。
やりがちなのは、炒めた後に入れるスープの量を目分量にしてしまうことです。少なすぎれば芯が残り、多すぎればべちゃっとします。特にバターで炒めた米は、焦げつきやすいのも難点です。
初めてなら、まずは炊飯器で炊いて後入れする方法で基準の味を作り、慣れてから鍋炊きに進むのがおすすめです。土鍋や鍋の炊き方に慣れていない場合、いきなり油入りで炊くと失敗の原因がどこにあるのか見分けにくくなります。
しょうゆバターは仕上げに香りを足します
和風に寄せたいなら、しょうゆバターライスが手軽です。基本のバターライスを作り、仕上げにしょうゆを少量回しかけて混ぜるだけで、香ばしい和洋折衷の味になります。
しょうゆを仕上げに使う理由は、しょうゆの香りも加熱しすぎると飛びやすいからです。フライパンで作る場合は、鍋肌に沿ってしょうゆを入れると、熱でしょうゆが少し焦げて香ばしさが出ます。炊飯器で作る場合は、バターと一緒に炊き上がり後に混ぜてください。
注意したいのは塩分の出どころがひとつ増えることです。しょうゆを入れるなら、コンソメや塩は控えめにして、味見をしてから足すようにすると塩辛くなりません。有塩バターを使っている場合は、さらに控えめにします。
合わせる具は、きのこやコーン、ツナなどがよく合います。きのこは炊き込みに使っても浮きにくい具材ですが、心配なら別に炒めてから後入れにすると、炊飯器の注意事項を気にせずに済みます。
ガーリックバターとカレー味は加熱の加減が分かれ目
にんにくの香りを効かせたガーリックバターライスは、ステーキの付け合わせなどに人気のアレンジです。フライパンでバターとにんにくを弱めの火で温めて香りを移し、そこにご飯を加えて混ぜる方法が手軽です。
にんにくは焦げると苦みが出るので、火を強くしすぎないことが分かれ目です。バターも焦げやすい油脂なので、にんにくとバターを同時に温める場合は、色づき始めたらすぐにご飯を入れて温度を下げるようにします。
カレー味にしたい場合は、芦屋市保健センターのカレーピラフが参考になります。1合に対してコンソメ3g、カレー粉1gを入れて普通モードで炊き、炊き上がったらバター4gを混ぜるという組み立てです。カレー粉は炊飯前に入れ、バターは後入れという順番は、ここまで説明した基本と同じです。
どのアレンジでも、香りの強い材料は後から、味の土台になる調味料は先に、と考えると整理しやすくなります。バターライスの基本を一度身につけておけば、味の方向を変えるだけでレパートリーが広がります。
作り置きしても大丈夫?合う料理と保存で気をつけたいこと
ハンバーグ・オムライス・カレーで作り分けます
バターライスは合わせる料理によって、味の濃さを変えると食卓全体がまとまります。読者のタイプ別に考えると、選び方がはっきりします。
ハンバーグやエビフライなど洋食の付け合わせにしたい人は、具なしでバターの香りを生かした控えめな味が向いています。おかずのソースがご飯にかかることを前提に、コンソメと塩は少なめにしておきます。
オムライスの中身にしたい人は、具を入れたピラフ風が向いていますが、外側にケチャップやソースをかけるなら、中のご飯の塩味は抑えめにします。カレーに合わせたい人は、バターの香りがカレーのスパイスとよく合うので、具なしで十分です。カレー粉入りにすると味が重なるので、ご飯はプレーンなバターライスにしておくのが無難です。
お弁当に入れたい人は、冷めてからも食べることを考えて、バターの量を増やしすぎないことがポイントです。冷えるとバターの脂が固まり、口当たりが重くなりやすいためです。後で説明する保存の注意も合わせて確認してください。
ピラフはセレウス菌の原因になりやすい料理とされています
作り置きを考えるなら、知っておきたいのがセレウス菌による食中毒です。農林水産省の食中毒の解説では、セレウス菌の嘔吐型について、農林水産省のページに「チャーハン、ピラフ、焼きそば、スパゲッティなどが原因になりやすいです。」と書かれています。バターライスもピラフと同じく、炊いた米を使った料理です。
症状としては、食後1~5時間で、吐き気、おう吐、腹痛をおこすと説明されています。家庭でたくさん作って、何回かに分けて食べようと考えている場合こそ、保存の仕方が大切になります。
台所でよくあるのは、炊飯器の中にバターライスを入れたまま、保温を切って置きっぱなしにしてしまうことです。内釜の中は温度がゆっくり下がるため、冷めるまでに時間がかかります。
どれくらいの時間なら常温で置いても大丈夫か、という目安の数字は、ここでは書きません。一次ソースで確認できる数値がないためです。大切なのは、食べきれない分を早めに分けて冷やすという行動のほうです。
小分けにしてすぐ冷蔵庫・冷凍庫へ
農林水産省は、セレウス菌の予防として、農林水産省のページで「米飯やめん類などを保存するときは、小分けにして速やかに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。」と呼びかけています。バターライスも同じ扱いで考えてください。
小分けにする理由は、量が少ないほど早く冷えるからです。大きな保存容器にまとめて入れると、中心部まで冷えるのに時間がかかります。1食分ずつ平らにして包めば、冷蔵庫や冷凍庫に入れたときに全体が早く冷えます。
やりがちなのは、粗熱を取るつもりで内釜のまま台所に置いておき、そのまま忘れてしまうことです。作る段階で、食べる分と保存する分を決めておき、炊き上がってバターを混ぜたらすぐ取り分けるようにすると安全です。
冷凍した場合の保存期間についても、一次ソースで確認できる日数がないため、ここでは数字を示しません。冷凍庫に入れた日付を書いておき、早めに食べきることを心がけてください。
温め直しはご飯をほぐしてから
冷蔵や冷凍したバターライスを温め直すときは、電子レンジで温めてから全体をほぐすのが基本です。バターの脂は冷えると固まっているので、温めることで再びご飯の表面に溶け広がります。
ほぐす理由は、電子レンジの加熱にはむらが出やすく、外側だけ熱く中心が冷たいという状態になりやすいからです。途中で一度取り出して混ぜると、全体が均一に温まり、バターも全体に行き渡ります。
よくある失敗は、温め直しのときにバターを足してしまい、脂っぽくなることです。冷えたバターライスは香りが弱く感じられますが、温めれば香りは戻ってきます。足すなら、温めて味見をしてからにしてください。
フライパンで温め直す方法もあります。この場合は少量のバターで香りを立て直せるので、作り置きしたものでも作りたてに近い香りになります。ただ、焦げつきやすいので弱めの火で手早く混ぜるようにします。
多めに作ったバターライスを、保温を切った炊飯器の内釜に入れたまま台所に置いてしまう。内釜の中は冷めるのに時間がかかり、農林水産省がセレウス菌の原因になりやすいとするピラフと同じ状況になります。対策は、食べない分をすぐ1食分ずつ小分けにして、冷蔵庫か冷凍庫に入れることです。
まとめ|今日の夕食で試せる最初の一歩
今夜作るなら、いつものお米を研いだら、コンソメと塩を入れてから水位線まで水を足し、炊込みコースのボタンを押すところから始めてみてください。ブザーが鳴ったらバターを入れて混ぜるだけで、香りのよいバターライスが食卓に並びます。
炊飯器の注意事項やコースの名前は機種によって異なるため、細かな点はお手持ちの取扱説明書と各公式ページでご確認ください。

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